渋谷サクラステージ"閑散"に見る「再開発の現実」 渋谷の再開発はもう失敗してしまった…のか?

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とは言え、まだ同施設は開業して1年ほど。テナントが埋まっていないから、これからどんなテナントが入るかによって施設全体の雰囲気もだいぶ変わってくるだろう。

ただ、よほど普段使いができる施設にするか、あるいは観光客向けにとがった人を呼べるコンテンツを入れるのかを考えなければ、この中途半端な状態は続いてしまうであろう。

成功と失敗、どっちに転ぶか? 

というわけで、サクラステージについて「半分成功、半分失敗」と、少し辛辣に書いてしまったが、基本的に私はGreater Shibuya2.0の構想は面白いと思っている。 

とかく再開発は「同じようなビルばかり建てて……」といわれがちだ。その中で、よりローカルな暮らしに根差したテナントを入れたり、緑化をして暮らしを整えるのは良い試みであることは間違いない。

実際、この構想の中で誕生したハラカドは、テナントを何も入れずに、ただ座れる「ハラッパ」という場所を作るなど意欲的な試みをしていて興味深い。 

ハラッパのようす。なかなかアバンギャルドな空間である(筆者撮影)   

「再開発」と一口にいわれがちだが、その中でもさまざまな施設が誕生しているのが現在の渋谷である。

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特にサクラステージについて、「半分成功、半分失敗」の状況が長期的に見てどう変化していくのかは、施設全体のカラーがどのように定まっていくのかにかかっているだろう。

ビジネスにおいて大事なのは「選択と集中」のはず。私なんかより、東急不動産の社員のほうがよく知ってるはずだ。

渋谷再開発全体の流れを含めて、サクラステージの今後を注視していきたい。

【もっと読む】銀座に爆誕「余白だらけのビル」一体何が凄いのか 近年の再開発のあり方にデカい一石を投じている では、銀座に誕生した「Ginza Sony Park」の面白さについて、都市ジャーナリストの谷頭和希氏が詳細にレポートしている。
谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

X:@impro_gashira

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