渋谷サクラステージ"閑散"に見る「再開発の現実」 渋谷の再開発はもう失敗してしまった…のか?

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この第1段階のビジョンは2つ。新しいビジネスが生まれるとともに、エンターテインメントの集積地として渋谷を発展させる「エンタテイメントシティSHIBUYA」と、渋谷を中心に魅力ある周辺エリアを作る「広域渋谷圏構想」の2つだ。

再開発のメインターゲットは「遊ぶ」と「働く」。つまり、観光客とオフィスワーカーである。この計画に沿って、渋谷ヒカリエ・渋谷スクランブルスクエア(第1期)・渋谷フクラス・渋谷ストリームといった建物が建てられた。目論見通りだろうか、これらのビルには観光客が多く押し寄せ、上層階にはさまざまな企業のオフィスが誕生した。

Greater Shibuya1.0を代表する風景。真ん中が渋谷スクランブルスクエアでその奥にちらりと見えるのが渋谷ストリーム。左にある建物が渋谷ヒカリエだ(筆者撮影)

渋谷再開発は「暮らす」フェーズへと突入?

一方、東急グループが策定した計画では2021年以降、このGreater Shibuyaが第2ステージに突入している。「Greater Shibuya2.0」である。

第1段階との違いは1つ。「遊ぶ」「働く」に加えて、「暮らす」が強調されていることだ。

東急のプレスリリースより。第2段階では「暮らす」の大きさがアップしていることがわかるだろうか(東急プレスリリースより)

ここ数年で誕生しているのが、この第2段階による建物で、2023年誕生した代官山フォレストゲートや、昨年誕生した原宿のハラカド、そしてサクラステージなどが該当する。

確かにこれらの建物は、第1段階に誕生した施設に比べると、住宅があったり、緑地が意識的に増やされていたりする。サクラステージにもマンションがあるし、ハラカドは建物全体を覆うように緑化がされている。

ハラカドの屋上から表参道を眺める。緑化がかなり意識されている建物だ(筆者撮影)

こう考えると、サクラステージにこれまでの再開発とは異なるある種「庶民的な店」が入っているのもうなずける。「暮らす」を重視したテナント構成なのである。

それらの店がある程度混んでいることは、ある程度「成功」したと言えるのではないだろうか。

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