マイホームよりも「食べ物」
横田:監督はどのような環境で育ったんですか?
栗山:僕の場合は本当に普通の家庭で、都営住宅に住んでいました。一番印象に残っているのが小学生のときに、両親は僕が寝ていると思ってしゃべっていたんでしょうけど、家を買う、買わないって話をしていたんですよね。
家計が苦しくてもマイホームを持ったほうがいいんじゃないかと父親が言ったとき、母親が「いや、子どもたちに一番苦労させたくないのは食べ物だ」と。他のことで苦労しても、子どもたちが食べたい物だけは食べさせてあげたいと話していたんです。
それが僕にとっては、管長のお母さんが管長が出家を決められてから1週間泣かれていた話と一緒で、「俺、本当に頑張らなきゃ」と思ったきっかけでした。たぶん周囲への体裁みたいなものもあったと思いますけれど、両親が自分たちのためにそこまで思って家は買わないと決断した。そういう愛情だけはもらい続けてきましたね。
横田:まさに親の愛は海より深く山より高いと。





        
        
        
      
        
      
          
          
          
          
        
        
        
        
        











