これら以外にも、知名度、販売代理店網、資金力など、さまざまなモノ・コトを強みにすることは可能ですが、「自社の強み」を正しく認識して「X」に活かすことは、思っているよりも難しく、そう簡単ではありません。
【アマゾンの教訓】「強みの認識」は意外に難しい
たとえば、アマゾンが2014年にローンチした「ファイアフォン」というスマートフォンがあります。
写真を撮ると即座にアマゾンの商品群から商品が識別されアマゾンの購入ページに移動できるという機能が特徴で、膨大な商品群を有し、それを特定・提示するデジタル実装力などの「強みを活かした」ものでした。
しかし、199ドルで販売したものを2カ月後には99セントに値下げし、それでも消費者には受け入れられずに、翌年には撤退しました。
スマートフォンという競争の激しい業界でもあり、失敗の理由はいろいろあるでしょうが、アマゾンの認識していた「強み」は、スマートフォンユーザーたる消費者には刺さるものではなかったということでしょう。
強みを活かして「X」を定めるとき、自分たちの強い想いや意思は不可欠です。外部の声(ノイズも多いもの)などを参考にしすぎるのはいただけません。
しかし、独りよがりの評価も注意深く避けなければなりません。
デジタル版への進出で苦戦している日本の新聞社も、「金を払ってまで読みたいと思わせるものがないのかも……」「記事が強みになっていないのかも……」といった極端な仮説を置いてみることが、意外に次の一手につながるきっかけになるかもしれません。
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