NYタイムズ「7年で売上半減」から劇的復活した訳 老舗企業をV字回復させた「すごいDX処方箋」
新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど、インターネットの猛威にさらされている「オールドメディア」の苦境が深刻だ。デジタル化の波に乗れず、各社が長期的な業績低迷にあえいでいる。しかし中には、うまくデジタルに舵を切り、先駆的な企業へと変貌を遂げたメディアもある。世界的な報道機関として知られるNYタイムズもそのひとつだ。同社がいかにしてDXを成し遂げたかのか。『THE DIGITAL TRANSFORMATION ROADMAP(デジタル・トランスフォーメーション・ロードマップ)』(デビッド・ロジャース著/東洋経済新報社)を翻訳したNTTデータ・コンサルティング・イニシアティブが、その道のりと秘策を解説する。
トップの号令でデジタル化に先行着手
デジタル革命の黎明期、ニューヨーク・タイムズ・カンパニー(以下、NYタイムズ)は、新しい時代を見据えた大胆な事業再構築プロジェクトに乗り出しました。今日で言うところの「デジタル変革(DX)」です。この一大プロジェクトは、CEO兼発行人の大号令で始まり、トップの全面的な権限を後ろ盾に進んでいくこととなりました。
まず、デジタル化を推進する別部門として、子会社となる「ニューヨーク・タイムズ・エレクトロニック・メディア・カンパニー」を設立。デジタルメディアと広告のエキスパートを同子会社の社長に据え、新たなデジタル人材を続々と獲得し、その後数年間、NYタイムズは、デジタル・ジャーナリズムの新しい形を世に示そうと、様々なプロジェクトに取り組みました。
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