NYタイムズが「DXで大復活」できた"本当の要因" Amazonも失敗したのに?日本への「重大な教訓」

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

NYタイムズが「イノベーション・レポート」を策定した2010年代のメディア業界のネットでの動きを振り返ると、「購読料を中心に据える」という意思決定は「流行」や「定番」とはいえませんでした

これを踏まえると「NYタイムズの『X』の定め方」はなおさら気になるところです。

DXが対象とする未来の予測は難しいものですが(たいてい外れます)、だからといって放置が許されるものでもありません。

今回は(経営者が担うべき)「『X』の定め方」について考えてみます。

コンサルタントしてよく相談を受ける「悩みの中身」

「X」を定めることが簡単でない理由のひとつに、「さまざまなアプローチがあるなかで、どれを選べばいいのか?」ということがあります。

コンサルタントとして私がよく相談を受ける「悩み」を、思いつくままにあげると、下記のようなものになります。

✔ いまの顧客への新しい価値提供を優先すべきか、新しい市場開拓を狙うほうがよいのか?
✔ 近隣業界に進出することが鉄則なのか?
✔ 世の中の課題や顧客の抱える課題から考え始めるべきなのか?
✔ 顧客セグメントそして顧客ターゲットを明確にするところから始めることが必要なのか?
✔ 似たような事業をマネするのは禁じ手なのか?
✔ 販売チャネルや課金方法を変えるだけでもいいのか?
✔ 垂直統合や水平統合を視野にいれておくことが鉄則なのか?

それぞれのアプローチに一長一短はありますし、そもそも(会社の置かれた環境などにもよるので)どれがベストと選ぶこともできません。

「(社会の)課題解決をするぞ」というアプローチを採ったときには、課題を見つけるための網羅的な調査に過度に時間を使ってしまいがちです。

また、「既存事業からの展開」をとったときには、「X」のインパクトに欠けるものになってしまいがちなので注意が必要でしょう。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事