「強みを活かす」とは、簡単に言ってしまえば、「既存事業」か「既存顧客(市場)」を活かすということです。
「既存事業」か「既存顧客(市場)」を活かすのが基本
「既存事業」で培われた「技術」を強みとしたものといえば、すぐに富士フイルムが思い浮かぶ読者は多いのはないでしょうか。
富士フイルムは、この20年で化粧品・医薬・ライフサイエンスなどを含むヘルスケア事業を全体の3分の1とするXに成功しています。
ここには写真フィルム事業で培われた、コラーゲンに関する技術(写真フィルムの成分はコラーゲンが半分を占めます)や抗酸化技術などが活かされています。
「保有技術から新商材開発」とまで構えなくとも、「既存事業を新市場へ展開する」というものも十分「X」になりえます。すし・ラーメン・カレーなどの飲食事業の海外進出はわかりやすいものでしょう。
「既存顧客(市場)」を強みとしたものにも、多くの事例があります。
「ポイント経済圏」などと言われる、ポイントで囲い込んだ顧客ベースを活用したグループ内での事業展開は、なじみのあるものでしょう。
また(海外の大手)エアラインでは、FFP(Frequent Flyer Programの略、いわゆるマイレージサービス)を活かし、会員への金融商品・保険などの販売で稼いでいます。
カンタス航空で見ると、(コロナ前の)2018年には国際線事業の税引前利益と同水準に至っています(そして利益率は24%と圧倒的に高い)。
「顧客接点の多さ」も、強みになりえます。セブン銀行などは、まさにこの例でしょう。
先のFFPの活用などは、顧客の属性を識別・把握していることが必要条件ですが、単純な顧客接点の多さ(あるいは立地のよさ)も強みとして活きてくるものです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら