大学入試には、文部科学省(以下、文科省)が定めるルールがある。
このルールは、受験生の利益を損なわないようにするために、公正を旨として、高校と大学が協議してとりまとめられている。少子化の折、高校にとっては「大学合格実績」、大学にとっては「入学者の確保」といった、それぞれの思惑が見え隠れするものでもある。
そのルールの遵守を促す通知を、文科省が昨年末に各大学に出した。大学入試を俯瞰(ふかん)するにはよい材料なので、取り上げたい。
きっかけは東洋大学の「青田買い」
この通知は「大学入学者選抜実施要項において定める試験期日等の遵守について(依頼)」で、第2回で触れた東洋大学の「青田買い」選抜に対して出されたものだ。
学校推薦型の公募推薦にもかかわらず、早期の実質的な学力試験による選抜に対して、昨秋、東京の私立中高の団体からクレームがついたことへの文科省の対応といえる。
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