昭和39年にオープンしたこちらのお店。オーナーは長く西山郷子さん(74)が担ってきたが、最近は息子の直也さんに代替わりしたとのこと。
外資系の企業に勤めていた直也さんは、去年脱サラし店を継ぐことを決心した。現在は「まだまだ修業中(本人談)」なのだそう。イチから自家焙煎の技術を学び、近く本格的に提供を始めるのだという。
かつては「東京の田舎」と呼ばれていた
オープン当初からレイアウトは基本的に変えていないという店内。伺った日は、美空ひばりのジャズアルバムがかかっていた。壁一面の食器棚は、建具屋による造り付けで、「東日本大震災の揺れでも、びくともしなかった」(郷子さん)と、年季の入った柱を撫でながら教えてくれた。
「私が小さい頃はね、近所の古い人たちの話を聞くと、ここらへんは東京の田舎だって言われていたんですって、昔の地名はエバラ村だったって、そんな感じが今でも残っているんですよね。人情が厚いっていうのかしらね。そういう街なんです」(郷子さん)
そんな郷子さんは、幼稚園から高校まで、別の街にある私立の学校に通った。だからだろう、少し客観的な目で街のことを語ってくれる。
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