品川区でもほぼ無名「都心に取り残された街」の姿 "東京の田舎"の姿を残した「中延」の深い魅力

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2つの駅の間には、地元に密着した店が並ぶ。東急大井町線の中延駅から、500mほど北上すれば東急池上線の「荏原中延駅」だ。

街の人たちが語るとおり、交通の便はすこぶる良さそうである。

都営地下鉄浅草線の中延駅
都営地下鉄浅草線の中延駅(筆者撮影)
東武大井町線の中延駅
東急大井町線の中延駅(筆者撮影)
東急池上線の荏原中延駅
東急池上線の荏原中延駅(筆者撮影)

東急大井町線で、中延の隣は「戸越公園駅」と「荏原町駅」だ。

1日の平均乗降人員を見ると戸越公園は1万2977人で、荏原町は1万4734人。そして中延は2万487人と突出している(どれも2023年度)。地下鉄への乗り換え需要もあることから、この数字なのであろう。

上に挙げた駅たちは中延を支点に、半径600mほどの円の中にすっぽり収まる。この界隈は、少し大きな通りには商店が並ぶが、ひとつ道を入ると、住宅地が広がる。

また、東急大井町線の中延から、東急池上線の荏原中延までは、アーケード商店街の「なかのぶスキップロード」がつなぐ。日常の買い物はこちらでなんでも揃うから便利だ。

「目ぇつぶって歩いていても、あ、そろそろあの惣菜屋さんだな、ということは焼肉屋も近いなとかって分かるんだ。それぞれの店がそれぞれにいい匂いの料理を作ってるからねぇ。

もちろん、ホントに目ぇつぶって歩いてたらアブネェからそんなこたぁしないよ。でもね、そのくらい、地元の人たちにとっては日常使いの商店街なんだよ」

杖をついたオジサンが、なかのぶスキップロードの魅力をそんなふうに語ってくれた。

創業61年の喫茶店が語る住み心地

同商店街を、中延駅の方向に戻る。地下鉄浅草線の中延駅近くにある昭和テイストたっぷりの喫茶店「ニュープリンス(東京都品川区中延4-6-1)」で話を聞くことができた。

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