鳥羽シェフ「ビジネスでモテる」ための言語化術 相手の「課題」を見つけてあげることも大事

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ところで皆さんは、ファミリーレストランで一番難しい料理は何だと思いますか?  それはステーキ。ファミリーレストランの場合、単価の安さは譲れません。ステーキはおいしくしようと思うと、いい肉を使うしかない。いい肉は当然高いので、ファミリーレストランでは厳しい。それなのにどこのメニューにも必ずステーキがあります。

僕は、そこはもうほかの料理に置き換えるしかないと思う。僕たちがしたようにハンバーグを前面に押し出してもいいし、ポークやチキンを工夫してもいい。ファミリーレストランにおけるステーキの問題に、僕は早くから気付いていたので、それもまた課題だと思い、ステーキをしのぐ「感動ハンバーグ」の発想につながりました。

感動したら、素直に相手に伝える

ある企業との仕事が決まることは、その企業に「モテた」ということです。そのため、相手の課題を見つける時は、他方で相手を褒めることも大事です。

以前あるファミリーレストランとの仕事の話が来た時、打ち合わせで僕は、そこの蕎麦をものすごく褒めたことがあります。それは本当にめちゃくちゃおいしかったからです。

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こういう感動を伝えることが、僕は得意です。なぜなら、僕の料理をお客さんに感動してもらえた時のうれしさを、痛いほど知っているからです。自分の感動は素直に相手に伝えればいい。それはまず相手がこちらに「モテた」ことですが、向こうのうれしさは必ずこちらに返ってきます。つまり、結局こちらが「モテる」ことになります。

そう考えると「モテ」という考え方は、ほとんど万能です。

例えば僕がガストで提供した企画でお客さんが感動したら、ガストがモテたことになる。それはガストにもお客さんにもいいことです。そして僕もまた、お客さんにモテたわけです。その企画が成功したら、僕はもっとガストにモテることになる。

とにかくビジネスでは、相手にどう「モテる」かということを考えればいい。このシンプルな考えに徹すれば、仕事はスムーズに進むし、売り上げは必ず伸びます。

鳥羽 周作 レストラン「sio」オーナーシェフ

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とば しゅうさく / Shusaku Toba

sio株式会社代表取締役。Jリーグクラブの練習生、小学校の教員を経て、31歳で料理の世界へ。2018年「sio」をオープン。同店は、「ミシュランガイド東京」に2020年から6年連続で掲載。現在、「sio」「sio Aoyama」「o/sio」「o/sio FUKUOKA」「㐂つね」「ザ・ニューワールド」「おいしいパスタ」「NAGANO」「FAMiRES」と9店舗を展開。書籍、YouTube、SNSで公開するレシピや、フードプロデュースなど、レストランの枠を超えて様々な手段で「おいしい」を届けている。モットーは「幸せの分母を増やす」。

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