鳥羽シェフ「ビジネスでモテる」ための言語化術 相手の「課題」を見つけてあげることも大事
ところで皆さんは、ファミリーレストランで一番難しい料理は何だと思いますか? それはステーキ。ファミリーレストランの場合、単価の安さは譲れません。ステーキはおいしくしようと思うと、いい肉を使うしかない。いい肉は当然高いので、ファミリーレストランでは厳しい。それなのにどこのメニューにも必ずステーキがあります。
僕は、そこはもうほかの料理に置き換えるしかないと思う。僕たちがしたようにハンバーグを前面に押し出してもいいし、ポークやチキンを工夫してもいい。ファミリーレストランにおけるステーキの問題に、僕は早くから気付いていたので、それもまた課題だと思い、ステーキをしのぐ「感動ハンバーグ」の発想につながりました。
感動したら、素直に相手に伝える
ある企業との仕事が決まることは、その企業に「モテた」ということです。そのため、相手の課題を見つける時は、他方で相手を褒めることも大事です。
以前あるファミリーレストランとの仕事の話が来た時、打ち合わせで僕は、そこの蕎麦をものすごく褒めたことがあります。それは本当にめちゃくちゃおいしかったからです。
こういう感動を伝えることが、僕は得意です。なぜなら、僕の料理をお客さんに感動してもらえた時のうれしさを、痛いほど知っているからです。自分の感動は素直に相手に伝えればいい。それはまず相手がこちらに「モテた」ことですが、向こうのうれしさは必ずこちらに返ってきます。つまり、結局こちらが「モテる」ことになります。
そう考えると「モテ」という考え方は、ほとんど万能です。
例えば僕がガストで提供した企画でお客さんが感動したら、ガストがモテたことになる。それはガストにもお客さんにもいいことです。そして僕もまた、お客さんにモテたわけです。その企画が成功したら、僕はもっとガストにモテることになる。
とにかくビジネスでは、相手にどう「モテる」かということを考えればいい。このシンプルな考えに徹すれば、仕事はスムーズに進むし、売り上げは必ず伸びます。
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