鳥羽シェフ「ビジネスでモテる」ための言語化術 相手の「課題」を見つけてあげることも大事

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うまく言葉で伝えられないと、「この人、俺の建築をわかってないんじゃないか」と思われてしまう。細かく理解していることが伝わると、「鳥羽さんはシェフで、別ジャンルの人なのに、そこまで理解してくれている」と相手は思ってくれる。それは結局こちらの愛が伝わるということで、「モテる」ことにつながります。だから誰かにモテたいと思ったら、その人の土俵を知ることが大事。単にフィーリングだけ、「なんかいいですよね」だけでは難しい。

実現につなげるためには、その特長に関する知識を細かい解像度をもって増やす。

そして相手の大事にしている部分を理解し、言語化して、それを相手に伝えれば、プレゼンの勝率がすごく高くなります。

相手の課題をクリアにして、具体案を提示する

一緒に仕事をする場合は、相手の「課題」を見つけてあげることも大事です。

クライアントからコラボの依頼があった際、先方がこちらに求めていること、つまり「課題」がはっきりしていないこともよくあります。

そういう場合は、先方の課題をこちらがクリアにして、具体案を提示することが必要になります。そのためには、相手を調べて知り尽くさなければならない。そうしないと、課題は見えてきません。

例えば先方の企業が「主力商品の売り上げを、もうちょっと伸ばしたい」というような時。

その企業の売りたい商品が、朝の健康食品だとします。その場合、朝、簡単に作れて、バランスよく栄養が摂れるということが、商品の一般的な特性として挙げられるでしょう。一方で、その「おいしさ」がちゃんと消費者に伝わっていないという可能性がある。

そこで、どのタイミングで、どれくらいの量を、どういう食器とスプーンで食べたら「おいしい」のかを、明確に伝えることができれば、消費者は「味は変わっていないのに、おいしくなった」と感じ、売り上げがグンと伸びる可能性が出てきます。

ある日、すかいらーくの会長から直接、コラボレーションの依頼が届きました。僕のドキュメンタリー映画をたまたまご覧になったらしく、「ガストの命運をあなたに託したい」とおっしゃっていただいたのです。

そこで僕たちが提案したのが「感動ハンバーグ」。

ポイントは、ハンバーグという料理のおいしさを最大化し、さらにコース料理にしたこと。ファミリーレストランでコースが食べられるという感動を、お客様に体験していただくのが狙いでした。

「感動ハンバーグ」というネーミングも、インパクトがあったと思います。キャッチコピーは「ハンバーグで感動したこと、ありますか?」。

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