入試や就活で「不登校が武器」に変わる深い理由 将来のために「自ら立ち上がる」のは貴重な経験

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一方、自信がなくてあきらめてこんなふうに表現する子もいます。

「みんなは毎日勉強しているのに、自分は勉強してこなかったから、どうせ無理」

「いまから毎日8時間くらい、やらなきゃいけないと思ってる。でも、自分はどうせできない」

「どうせ、通信制高校くらいしか行けない」

「人生終わったから、もういい」

でも、「合格したら行く?」と聞くと、多くの生徒が「それは、行く」と答えます。

実は、生徒たちは、私たち大人が感じている以上に高校のことや将来のことを考えています。しっかりと、「中学を卒業したら、義務教育からはずれる」ことを認識し、口に出さなくても「どうやって社会に出ていったらいいんだろう」と不安になっているのです。

でも、そんなふうに将来について子どもが不安になっているときこそ、つまり、中学卒業、高校入試こそ、自分の将来について真剣に考え、言葉にし、戦略を練り、嫌いな勉強を始める最大のモチベーションになるのです。

実際に、受験を意識して勉強や登校を始める子も多いです。「それまでは、何度声がけしても聞く耳持たずだったのに、中2の秋に声がけしたら、あっさり"やろうかな"と言い出した」という話は、「あるある」だったりします。そして、1年あれば、たとえ小学校から不登校でも、中学までの学習内容を習得することは可能なのです。

「不登校からの高校入試」には利点もある

不登校の期間が長かったりすると、高校入試はとても高い壁のように感じるかもしれません。本当にそんなことができるのか? と、半信半疑の子もいます。でも、できるなら挑戦したい、追いつきたい、という気持ちも伝わってきます。

おそらくたくさんの葛藤を抱え、どこかで自分を責め、苦しんできた子どもたち。無気力になることもあったかもしれません。それでも自分の将来のために立ちあがり、歩みだします。本当にすごいことだと思うのです。

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