「膀胱がん余命1年宣告」から開き直りがん共存記 尿が腎臓に逆流、まずは腎機能の回復を最優先

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③薬物療法(抗体薬物複合体)

さらにパドセブ(エンホルツマブ べドチン)という薬を点滴で投与する治療法がある。①②で効果がなかったケースでは、かつては標準的な治療法がなかったが、2021年9月にパドセブが保険適用となった。

パドセブの働きはこうだ。パドセブの抗体部分が、尿路上皮がん細胞の表面にあるネクチン-4と呼ばれるたんぱく質と結合。パドセブが、がん細胞の内部に入り込み、薬物が切り離される。切り離された薬物が、がん細胞の増殖を妨げ、がん細胞を死滅させるーー。

国際共同第Ⅲ相試験(EV-301試験)では、従来の化学療法群と比較して全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)で優位な延長効果が認められた。

従来の化学療法に比べても優位

それぞれの中央値は以下の通りだ。

OS:パドセブ(12.9カ月)/従来の化学療法(9.0カ月)

PFS:パドセブ(5.6カ月)/従来の化学療法(3.7カ月)

全奏効率(治療後に腫瘍が縮小または消失した割合)は、パドセブ群40.6%に対し、従来の化学療法は17.9%。

いずれもパドセブ群の優位性が明らかな結果である。

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