「余命1年」抗がん剤初投与後のリアルな体の反応 初日は何事もなく食欲も旺盛、しかし2日目に…

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病床の窓から望む桜(筆者撮影)
2024年春、ジャーナリストの山田稔(64)さんに膀胱がんが発覚、肺にも転移しており、ステージ4でした。医師が語る病状説明を淡々と受け入れ、がんとの共存の道を選択した山田さんは、抗がん剤治療を経て10月に膀胱の全摘出手術を受けました。本連載(今回は第4回)では、抗がん剤の副作用、入院中に感じた病院内の通信環境について記します。

抗がん剤投与後の反応は?

3月の腎瘻手術から3週間余り経った。腎機能はだいぶ回復してきた。今度は抗がん剤投与のため4月3日に入院した。手続きを済ませ病室に向かう。窓側の部屋で開放的だ。外を見渡すと桜が咲き始めている。最高の癒やしになりそうだ。

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ランチはなんとスープカレー。これがいい味を出していておいしい。完食した。食後、採血とレントゲン撮影。夕方になって医師が回診。あすの抗がん剤投与の段取りを説明していった。その後、薬剤師が病室にやってきて、抗がん剤投与スケジュールと副作用について丁寧に説明してくれた。体調は良好。副作用がどう出るか、それだけが心配だ。

翌朝8時過ぎに主治医ではない若い医師が来て、首のCVポートに点滴用の針を刺していった。朝食を済ませ、未知の薬との対峙に備える。10時半。看護師がやってきて投与開始。まずは吐き気止めのグラニセトロンと、炎症やアレルギー症状を改善するデカドロンの点滴だ。

30分かけてゆっくりと投与する。11時過ぎ、生理食塩液100mlを投与したのち、ついに抗がん剤が登場。ゲムシタビン1700mg・30分。この治療薬はがん細胞のDNAに入り込んで、細胞分裂に必要なDNAの合成を阻害して、がん細胞を死滅させてくれる頼もしい存在だ。

30分間の投与中にアレルギー症状などの副作用は一切なかった。12時過ぎに5%ブドウ糖液250mlと2番目の抗がん剤カルボプラチン330mgを60分かけて投与する。カルボプラチンはプラチナ(白金)を含む金属化合物で、がん細胞内のDNAと結合することで、がん細胞の分裂を止め、死滅させるという。これまた頼もしい存在だ。13時半、最後に生理食塩液を流し込んで終了だ。

時間をかけて抗がん剤の点滴を受けた(筆者撮影)
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