「膀胱がん余命1年宣告」から開き直りがん共存記 尿が腎臓に逆流、まずは腎機能の回復を最優先

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さらに、今年9月24日、アメリカ・ファイザーとパドセブの開発を進めているアステラス製薬は「パドセブと抗PD-1抗体キイトルーダの併用療法について、根治切除不能な尿路上皮がんに対する一次治療として、適応追加に関する承認を取得しました」と発表した。

このリリースの中で、パドセブとキイトルーダの併用療法群の有効性と安全性を、白金製剤を含む化学療法群と比較した第Ⅲ相EV-302試験のデータが紹介されている。

Ⅳ期の患者でも多彩な治療法の選択が可能

全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)それぞれの中央値は以下の通りだ。

OS:併用療法群(31.5カ月)/化学療法群(16.1カ月)

PFS:併用療法群(12.5カ月)/化学療法群(6.3カ月) 

このようにⅣ期の患者でも多彩な治療法を選択することが可能になってきた。奏効率や生存期間も従来の化学療法に比べて延びている。

とはいえⅣ期の患者の前途が険しいことに変わりはない。5年生存率は18.3%と2割にも満たない。薬物療法が効いたとしても、はたしてどこまで余命を延ばせるか。個人差が大きく、全ての患者がハッピーエンドを迎えられるわけではない。

しかし、それは厳粛なる事実、運命として受け入れざるをえないだろう。次回は、腎機能回復の手術の様子を中心にお届けする。

※①~③においては、それぞれさまざまな副作用が起こる可能性があるので、治療の際は医師とよく相談してください。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログも執筆。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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