マクドナルド「髪色自由化」が導く"本当の狙い" 「人材確保」だけではない、大きな意義があった
フランス領ポリネシアを旅した際は、豪華客船に乗ったのだが(一番安い相部屋だったが)、スタッフの服装はラフで、フレンドリーだった。
最初は戸惑ったが、すぐに慣れて、外見や接客のやり方は気にならなくなった。むしろ、日本の接客サービスのほうが、型にはまっていて、窮屈だと感じるようにさえなった。
マクドナルドの場合は、飲食業でもあるから、衛生的であることが求められる。その点で、外見の制約はあるのはやむを得ない。ただし、髪の色や服装は、ある程度自由にしても何ら問題はないように思える。
変わっていった「働く意義」
最近、カスタマーハラスメントが問題視されるようになっているが、顧客と企業は主従関係ではなく、対等な関係あるという考え方も浸透してきている。
「不快なお客様もいるかもしれないから」「お客様からクレームが入ったから」という理由で、スタッフの外見や態度を変える必要もなくなってきている。
貧困状態にあれば「食べていくためには、我慢しなければならない」という発想にもなるだろう。高度成長期であれば「近い将来きっと報われるから」と思って、耐えることもできるだろう。
しかし、現在はどちらの時代でもない。若年の就職状況は売り手市場で、仕事を見つけること自体はさほど難しくなくなりつつある。一方で、「働くことの意義」を見出すことは難しくなっている。
そうした中で、「自分らしく働ける」ということが、働くことの動機づけになっているのだ。
現代の企業には、営利活動だけでなく、「社会課題の解決」も求められている。そこには、環境問題や人権問題に取り組むというだけでなく、従業員・スタッフが誇りを持って働ける環境を整えるということも含まれる。
こうした流れは、今回のマクドナルドの発表がシグナルとなって、外食産業、接客業全体へと広がっていくだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら