居酒屋のチンチロ、実は「客も店も得」な数学的理由 現役東大生が「確率」を実際に計算してみた

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チンチロ
チンチロ(写真:uco/PIXTA)
数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回のテーマは「居酒屋のチンチロの確率」です。

居酒屋でよくある「チンチロ」とは?

居酒屋という場でよくある、「チンチロ」というゲームを皆さんはご存じでしょうか?

チンチロとは、正式名称をチンチロリンという大衆的なゲームの1つであり、一般的に複数個のサイコロと丼を用いて行われます。サイコロを振って出た目によって作られた役の強さを競うゲームですが、そのルールを少し応用して、多くの居酒屋で楽しまれているのです。

お店にもよりますが、多くの場合は「サイコロを2つ同時に振り、結果によってドリンクの量や値段が変わる」というルールが採用されています。例えば以下のとおりです。

出た目が同じ(ゾロ目):ドリンクが無料になる
出た目の和が偶数:ドリンクが半額になる
出た目の和が奇数:ドリンクの量が2倍になり、値段も2倍になる

このルールの場合、お客さん側の視点で考えれば、

・ゾロ目ならタダ
・偶数でもお得
・奇数でも実質同じ値段

であるため、明らかにお客さんが得をするルールのように見えます。しかしこのシステムは、実はお店とお客さんの両方が得をする、つまり「Win-Win」のシステムになっているのです。

ビジネスの場でもとても重要になる、この「どちらにとっても利益がある」という構図が居酒屋のチンチロでいかにして実現するのか。具体的に計算をしてみましょう。

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