【実験】「肉じゃが」今と昔のレシピで作った結果 ひたすら強火で料理する時短レシピはどちら?
以前、X(旧ツイッター)で「昭和40年代頃のレシピは手間がかかり、作るのが大変そうだ」といった主旨の投稿があった。この半世紀、日本の暮らしは激変しているので、定番料理といえどもレシピが変化してもおかしくない。当時はサラリーマンと主婦が作る核家族が一般的になった頃だったが、今はシングルが最も多い。生活が一気に近代化されたほか、共働きは珍しくなくなり、台所の担い手が多様化している。
レシピを発信するのも、当時はテレビの料理番組が加わった頃で、現在はインターネット経由の情報も多い。はたして昔と今でレシピはどう変わっているのか。手元にある定番のレシピを使い、作ってみた。
今回選んだのは肉じゃが。時代の変化をわかりやすくするため、味つけなどが比較的近いレシピを選んだ。
最も古い「肉じゃが」と銘打ったレシピは?
肉じゃがレシピは、肉は牛または豚、だしや水を加える加えない、ニンジンやシラタキを加える加えない、などが異なる。今回は牛肉を使い、水分を加えない、ニンジンを使うがシラタキは使わないレシピを2つ選んだ。
「おふくろの味」の代表とされる肉じゃがは、研究材料としても興味を引くらしく、名だたる食文化研究者が歴史を発掘している。その成果によれば、最も古い「肉じゃが」と銘打ったレシピは、『きょうの料理』1964年5月27日に放送されている。
紹介したのは、沖縄出身の尚道子氏。夫は日本住宅公団(現UR都市機構)でダイニングキッチンの開発に携わった尚明氏で、琉球王国の末裔。妹は「おいしゅうございます」で知られる岸朝子氏である。
尚氏は『きょうの料理』で最初の時短レシピを1959年に紹介している。夫が家に部下をたくさん連れてくるなど、私生活でも臨機応変に料理してきた肉じゃがレシピは、手早さが肝だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら