蚊が媒介する「デング熱」は帰国後対策も大切
夏休みの海外旅行シーズンを迎え、厚労省などで海外旅行の感染症についての注意喚起が行われている。昨年、渡航歴のない人が69年にぶりに国内で感染したデング熱は、海外からウイルスが日本国内に持ち込まれたと考えられており、今年も注意が必要だ。
そこで、まずはデング熱のような蚊を媒介とした感染症予防から。当然のことながら、海外では、ビーチなどでもこまめに虫除け剤を活用し、昼夜を問わず蚊に刺されないように心掛けることがなにより。さらに、帰国後の対策も不可欠だ。
東京医科大学病院渡航者医療センターの濱田篤郎教授がアドバイスする。「蚊を媒介とした感染症は、発病したときに蚊にさされるとウイルスが蚊の中に入り、その蚊が別の人を刺して感染を広げます。そのため、万が一海外で感染して帰国後に症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診していただきたいのです。日本感染症学会では、今年保険適用されたデング熱検査を導入している『蚊媒介感染症専門医療機関』をHPで公表しています。参考にしてください」。
濱田教授は、現在、デング熱の自己診断ツールを作成しているという。ポイントは、「37度5分以上の発熱」「熱帯地域への海外渡航歴」「皮膚の発疹、関節の痛み、頭痛、吐き気、嘔吐」。これらに当てはまるとデング熱の疑いがあるそうだ。その場合には蚊媒介感染症専門医療機関やかかりつけ医、身近な保健所などに相談を。
「デング熱は、蚊にさされてから4日~7日程度の潜伏期間を経て発症します。帰国後しばらくしてから症状が出ることもありますので、医療機関を受診するときには、必ず渡航歴を告げるようにしましょう。また、症状が治まっても、念のため、1週間ぐらいは蚊にさされないように注意していただきたいと思います」(濱田教授)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら