若い人ほど要注意?「めまい」は体の黄信号 「クラッ」「ヨロヨロ」めまいに潜む大きな病

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「ちょっと体調が悪くて……」「なんか最近体が……」こんな悩みを抱えているビジネスマンは多いはずだ。だが忙しい企業戦士のみなさんのこと、気軽に休暇を取得して病院で一日じっくり検査、というわけにはいかないだろう。たいてい、「寝れば治る」でほっておいてしまう人が多い。
だが、ちょっと待ってほしい、その病気になる直前の”病気もどき”こそ体のSOS信号なのだ。この連載では看過することのできない”病気もどき”について医療ジャーナリストの安達純子氏が解説する。

酷暑も過ぎ去り秋風を感じる時期に、クラッとしてヨロヨロ。熱中症の時期も過ぎ去り、夏バテも回復しつつある頃なのに、そんなめまいに襲われる人がいる。

季節の変わり目の「めまい」は、20~30代の比較的若い世代にも起こりやすい。「ちょっと疲れたかな~」「寝不足かな~」と思いながら、しばらくすると症状は治まるが、数日後に再び「めまい」に襲われる。頭痛や吐き気、布団から起き上がれないなど、明らかな異変が伴うと医療機関を受診する気にもなるが、「クラッヨロッ」となってもすぐに正常を取り戻すと放置されがち。しかし、「たかがめまい」と侮っていると、癖になって「めまい」が連続して起こるようなことがあるそうだ。

めまい治療に定評を持つ赤坂山王クリニック(東京都千代田区)の梅田悦生院長が解説する。

「原因はいろいろありますが、季節の変わり目に起こりやすいのは、脳への血流減少にかかわる『めまい』です。首から脳幹、小脳、耳の奥の内耳へは、血液を送る『椎骨脳底動脈』が通っており、何かしらの原因でわずかに血流が滞るだけで、クラッとして平衡感覚を失い、めまいに結び付きます。めまいは何度も繰り返すうちに発症頻度が高くなる傾向があるので、我慢は禁物。椎骨脳底動脈の血流が原因であれば、身体を休めることですぐに症状は治りますが、週に2~3回も起こるようならば、医療機関を受診すべきです」

めまいが起こったら、まずは身体を休める。ハードな仕事もちょっと休憩。十分な睡眠と栄養バランスのよい食事を取るなど、健康に気遣うことがなにより。それでも週に2回以上めまいを繰り返すならば医療機関へ。狭まった血管を広げて血流を正常に戻す「抗めまい薬」を服用すると、症状を抑えるだけでなく再発予防にもなるそうだ。初期段階であれば、1カ月程度の服用で効果が期待できる。

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