眼球が動いてグラグラ
栄養不足や寝不足、夏バテを引きずっているようなときも、椎骨脳底動脈の血流はすぐに滞り、めまいを引き起こす。日頃から貧血や低血圧の人はなおさら。さらに、秋雨前線や台風などによる気圧の変動でも、脳から全身を結ぶ中枢神経がうまく働かなくなり血流は滞りやすい。季節の変わり目の「クラッヨロッ」のめまいにご用心。さらにやっかいな「グラグラめまい」が生じることも。
「眼球の動きは、内耳、小脳、脳幹で制御されています。うまく機能しないと、眼球が勝手にピクピクと動いてしまう。自身の意志とは関係なく眼球がピクピク動くと、脳は外界が回転しているように感じて平衡感覚を失い、めまいが生じます」(梅田院長)。
眼球がピクピク動いてグラグラ。脳幹から中枢に「回転している」と間違った情報が送られる中枢性のめまいは、「グラ~グラ~(浮動感)」とすることが多い。耳の奥の三半規管や耳石にかかわる内耳性のめまいは、「グルグル(回転性めまい)」回る傾向がある。いずれにしても、症状が強いと直立することは難しく、ひどいときには吐き気や嘔吐などの症状も伴う。小脳や脳幹に腫瘍が生じるなど病気のサインでもあるから要注意。
「グラ~グラ~」や「グルグル」の症状がひどくて繰り返すようならば、放置せずに医療機関を受診するのが無難。病気が潜んでいることもあるからだ。内耳の異常としては、内耳にリンパ液がたまって感覚細胞が障害される「メニエール病」もある。加えて、歌手の浜崎あゆみや大友康平など芸能人を襲った突発性難聴でも、めまいは生じる。放置しても治るどころか、症状が悪化することがかるので注意が必要。ただし、若い世代に生じる「グルグル」めまいは、別の原因のことが多い。
耳が原因のめまい
「内耳に関係しためまいでは、メニエール病や突発性難聴よりも、『良性発作性頭位めまい症』の患者さんが近年増えています」(梅田院長)。
内耳には、身体の回転などの動きを司る三半規管と、重力や頭の傾きなどを感じる耳石器がある。耳石に異常が生じて起こるのが「良性発作性頭位めまい症」。2013年3月に女子サッカー・なでしこジャパンの澤穂希選手が診断されたことでも、知られる病気である。「良性」と名前がついているけれど、症状はキツイ。「グルグル」回るめまいは、しばらくすると治まるのだが、繰り返し起こり、ひどいときには嘔吐も伴う。それゆえ医療機関を受診する人が多い。
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