白斑問題を招いた、カネボウのたこつぼ風土 花王の改革も及ばず、クレーム情報が死蔵

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白斑問題について会見するカネボウ化粧品の夏坂真澄社長

「“事なかれ主義”で、消費者が後回しになっていたのではないか。頭が固すぎる」。

肌がまだらに白くなる――。カネボウ化粧品の美白化粧品による白斑被害について、第三者調査に当たったふじ合同法律事務所の中込秀樹弁護士は9月11日、東京都内で会見し、カネボウの対応をこう切り捨てた。

白斑に悩む患者は約1万人

カネボウ化粧品が自社開発の医薬部外品認定成分「ロドデノール」を配合した美白化粧品の自主回収に踏み切って、2カ月が経過した。肌がまだらに白くなるという症状やその不安を訴える患者は、全国で約1万人に上っている。

カネボウは7月中旬から、これまでの情報収集や顧客対応の適時性、妥当性についての第三者調査を実施。9月初旬にこの調査報告書がまとめられ、11日に公表された。

ここまでの流れを簡単に整理しよう。ロドデノールが配合された美白化粧品は2008年9月に初めて発売。その後、美白化粧品は順次拡充されていった。購入者から最初の症例が、カネボウ側に相談されたのは2011年10月。12年2月には関西支社の教育担当者が、「美容部員3名に白斑症状が出ている」と本社のマーケティング部門と研究所に問い合わせていたが、カネボウ側はいずれもこの症状を「病気」として処理し、化粧品が原因であることを疑わなかった。

その後も複数の購入者からの相談が相次ぎ、12年9月には大阪府内の大学病院の医師から、美白化粧品との関連性を疑う異常性白斑についての電話連絡もあった。自主回収が始まった13年7月よりもはるか前から、危険な兆候がいくつも出ていたにもかかわらず、カネボウはこの問題を見逃し、結果として被害の拡大を招いてしまった可能性が高い。

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