“わが家の定番”になったマンガ飯があるかどうか、梅本さんに聞いた。
「いろいろありますよ。『きのう何食べた?』(よしながふみ)の10巻に登場する『豚バラ、キャベツ、にら、春雨のモツ鍋風』がおいしくて手軽なので何度も作っています」
「『あたりまえのぜひたく。─いくら 塩鮭 ぜひたく親子丼。─』(きくち正太)の自家製いくらもおいしくて、毎年、筋子が出る時期に作るようになりました。最近は、『かしましめし』(おかざき真里)3巻の『時短酢のもの』をくり返し作っていますね。1時間で味がしみておいしいんです」
漫画を忠実に再現、高価な食材を使うことも
マンガ飯はなるべく漫画に忠実に作ることを大切にしているため、普段の料理ではまず手に取らない、高価な食材を購入することもある。
「槇村さとる先生の『おいしい関係』2巻に出てきた『黄金のコンソメスープ』の再現では、500グラム5000円の和牛のイチボ肉を取り寄せました。いまならスープを取ったあとのお肉をミートソースに活用するところですが、料理の知識があまりなかった当時は、お肉を出し殻と思って捨ててしまって。いまだに後悔しています(笑)」
その一方で、再現したいが、なかなか手をつけられないマンガ飯もあるそうだ。
「『なんて素敵にジャパネスク 人妻編』(山内直実、原作:氷室冴子)に登場する甘葛(あまづら)の削り氷(かき氷)ですね。再現が難しい甘葛のシロップはクラウドファンディングで3万円を寄付して手に入れたのですが、氷をどこから調達すべきか、かき氷機なしにどうやって氷を削るかなど、下調べに時間がかかっています。“日本のトリュフ”と呼ばれる松露を使った『てだれもんら』(中野シズカ)に出てくるお吸物、『ドラえもん』に出てくる「百年後のおかし」も、いつか再現したいマンガ飯です」
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