梅本さんは子どものころから食べることが大好きで、教科書に出てくる食べ物にも興味を示す子どもだった。
「国語の教科書で読んだ『ちいちゃんのかげおくり』に登場する“ほしいい(干し飯)”、算数の問題に出てくる“ケーキ”や、理科の教科書に出てくる“砂糖水”“食塩水”まで気になって仕方なかったですね」
漫画も大好きで、夫と分担して漫画雑誌を何誌も購読。読むジャンルがどんどん広がっていった。
「映画は2時間座って観なければいけませんが、漫画は読む時間や速さを自由に調整できます。時間の融通が利くマンガを自然と楽しむことが増えていきましたね」
料理を楽しめなくなり「マンガ飯」を再現
そんな梅本さんがマンガ飯の再現を始めたのは、仕事を始めてから。料理を楽しめなくなったことがきっかけだった。
「仕事で深夜に帰宅しても、『オレンジページ』を見ながら食べたい料理を作っていたんです。でも、仕事で壁にぶつかり、あれだけ楽しみだった料理が“面倒くさい単なる家事”に変わることがありました」
そんなときに作ったのが『深夜食堂』(安倍夜郎)1巻に登場する「牛すじ大根玉子入り」のおでんだ。
「『深夜食堂』を読んで、おでんってこんなに少ない具材で成立するんだ、と印象的で。思い立って週末に作ってみたんです」
このおでんは、登場人物「まゆみちゃん」の大好物、という設定。梅本さんは何時間もかけておでんを作り、〈牛すじでビール一本…… 大根で冷や二杯…… ゆで玉子の黄身を半分出汁でといて……〉というまゆみちゃんの食べ方をなぞってみた。
「めちゃめちゃ楽しかったですね。どうやったらこのおでんを作れるかなと考えて、レシピを工夫したり、食べ方を真似したり。単なる“家事”だった料理が“趣味”になったと感じました」
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