東大生が解説、物事を「印象」で語る人に欠けた素養 数学を活用した「確実に正しい答えを出す」方法

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ビジネスパーソン
印象ではなく、本質を見抜くための簡単なコツを解説します(写真:mits/PIXTA)
数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「印象論からの脱却法」について解説します。

リンダは銀行窓口係でフェミニスト運動に参加?

さっそくですが、次の2択のクイズに挑戦してみてください。

問題:リンダは31歳、独身、率直な性格で、とても聡明である。大学では哲学を専攻した。学生時代には、差別や社会正義といった問題に深く関心を持ち、反核デモにも参加した。リンダの現在を推測する次の2択のうち、どちらの可能性がより高いだろうか?
①リンダは銀行窓口係である。
②リンダは銀行窓口係で、フェミニスト運動に参加している

いかがでしょうか。「リンダさんのことなんてわからないから選べない」という人も、直感でいいのでどちらかを選んでみてください。

この問題は、心理学者であるエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンが発案したものであり、行動経済学の世界では「リンダ問題」として親しまれています。

彼らの研究によると、このリンダ問題を出題された人の大多数が2つ目の選択肢を選んだようです。しかし、この問題の答えは1番です。それも、心理テストのようなものではなく、数学的に①が答えであると断言することができます。それはなぜか、理由を考えてみましょう。

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