ゴーストタウン化させない「小樽」の"生き残り策" 観光都市から「健康で長く暮らせる街」へと進化

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小樽市
ショッピングセンター内にある大型遊具パーク。作業療法士のサポートを受けながら、のびのびと体を動かす(写真:「きっずてらす」提供)

一方で、すでに移住を始めた人たちもいる。医療従事者だ。

「地域のあちこちとつながった、包括的な医療福祉の取り組みに興味を持ってくれた若者たちが住み始めています。わざわざ小樽に移住してきてくれた職員もいます。こうして雇用を生んでいること、住民を生み出すことに寄与できることはうれしいですね」(櫛引氏)

移住を考える人も出てくるのでは

この取り組みの主眼の1つは、居住者が離れていくことを食い止めることにある。

小樽市
初めて会った子ともすぐに意気投合して大はしゃぎ。元々積極的ではない子どもなので、行動の変化に親が驚いた(写真:「きっずてらす」提供)

だが、見方を変えれば、暮らしやすいインフラ――、例えば、商店や居宅、教育、そして医療福祉などがあれば、移住を考える人たちが出てくるのではないだろうか。

筆者が滞在を通じて感じたのは、たった1週間とはいえ、観光で訪れることと、暮らすために訪れることは見える景色がまるで異なるという点だ。

確かに首都圏は便利だ。地方都市と比較をしてしまえば、地方都市のほうがあらゆる点に不便さは感じる。

しかし、街の繁華性以上に、住民が健やかに暮らすしくみが整っていることは、心身にゆとりを持たせるために必要なのではないかと、子どもの様子を見ていて痛感した。

永見 薫 ライター

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ながみ かおる / Kaoru Nagami

1982年生まれ。兵庫県出身、東京都在住。大妻女子大学比較文化学部比較文化学科卒業。中国と日本の女性史を中心に比較文化学を学ぶ。複数の企業勤務を経て2014年よりライター。主な執筆テーマは在学中より関心の高かったジェンダーや多様性のほか、働き方、子育て、まちづくり。1児の母。Twitter:kao_ngm

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