ゴーストタウン化させない「小樽」の"生き残り策" 観光都市から「健康で長く暮らせる街」へと進化

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2024年現在、ウエルネスタウン構想の活動拠点となっているのは、ウイングベイ小樽1階に入居する「済生会ビレッジ」だ。2021年3月にオープンし、北海道済生会が運営している。

櫛引氏がかつて頭の中で描いていた、リハビリ施設や相談支援センター、発達支援事業所、就労支援施設などの複合施設が並ぶ。

小樽市
ウイングベイ小樽にある医療・介護・福祉の総合情報発信拠点「済生会ビレッジ」(写真:北海道済生会提供)

筆者も体験した「保育園留学」

2023年7月からは、将来的な移住促進への架け橋となるべく、「保育園留学(移住体験)」の受け入れが始まった。

これは、株式会社キッチハイクが提供するプログラムで、留学を希望する家族は、市内の民泊施設に1〜2週間寝泊まりし、自炊をしながら、子どもを現地の保育園や発達支援事業所に通わせる。

小樽市
朝の登園前には民泊の玄関を雪かき。都会ではできない経験に大喜びする(写真:筆者撮影)

都内在住の筆者も、実際にこの冬、保育園留学制度を利用した。

感動したのは、医療や福祉の充実度だ。近接地に医療機関と保育園、発達支援事業所がまとまっているため、移動が非常に楽。買い物施設も併設しているため、行き帰りにすべてをすませられる点が魅力だった。

都心と異なり、ゆたかな面積を生かしたのびのびとした空間で、心置きなく遊ぶ子どもの姿は、都内で暮らしているときとはまったく異なる姿で、親の心が揺さぶられた。

すぐに移住とはつながらなくても記憶には残る。これから体験に訪れる人にとっても、良い体験となるのだろう。

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