群馬県「移住希望9位→2位」に大躍進の納得の理由 「オール群馬」の取り組みが奏功、トップを目指す

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赤城山と前橋・高崎の都市部(写真:gonbe/PIXTA)

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが3月1日、毎年恒例の「移住希望地ランキング」を発表した。トップは静岡県で4年連続。そして今回、大きな話題になっているのは前年の9位から2位に躍進した群馬県だ。ふるさと回帰支援センターの分析では、「地震が少ない」「生活費や教育費の安さ」が相談増につながっているという。

群馬県といえば、民間会社が行っている魅力度調査で毎年下位に低迷(2023年は44位)し、かつては県知事が抗議したうえ、県が独自の検証結果をまとめたこともある。イメージ先行の調査では下位ながら、窓口相談者の移住希望地調査では2位というギャップが面白い。群馬県の移住の実態、地域力、魅力を探ってみた。

「子育て・働き世代の人気が高い」と知事が分析 

2023年の窓口相談者が選んだ移住希望地のトップ10は次の通り。
①静岡県、②群馬県、③栃木県、④長野県、⑤宮城県、⑥福岡県、⑦北海道、⑧山梨県、⑨山口県、⑩広島県

群馬県は2019年以降15位、10位、5位と着実に順位を上げてきたが、2022年は9位にランクを落としていた。そして今回、一気に2位に躍進した。山本一太知事はよほどうれしかったのだろう。情報解禁(3月1日午前0時)前に、「大変うれしいニュースが入っておりましたので、事前にここで発表させていただきたいと思います」と2月29日の会見で報道陣に発表したほどだ。

知事は今回の結果について、年代別のランキングについて触れながらこう分析している。

「20代と40代で全国1位です。30代で全国3位、つまり子育て・働き世代からの人気が高いことがわかった。今回のランクアップの要因は、群馬県が東京から近くて、住環境に恵まれた地域であることが広く浸透したからだと思っています。新型コロナを経験し、転職なき移住の適地として評価を受けたことも大きな要因だと考えています」(2月29日の会見)

同時に、県内全市町村がふるさと回帰支援センターの会員になるなど「オール群馬」の取り組みの成果である点も強調。そして「こうなったら1位を目指すしかないかなと思います」といった言葉まで飛び出した。

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