群馬県「移住希望9位→2位」に大躍進の納得の理由 「オール群馬」の取り組みが奏功、トップを目指す

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自然環境に恵まれ物価水準が低い。それでいて就労環境も整備され、子育て環境は充実している。日々の暮らしに自動車は欠かせないが、幹線道路沿いには大型ショッピングモールや家電量販店が揃い、買い物の利便性は高い。アウトドア派には山も川も湖もある。キャンプ、登山、スキー・スノーボード、釣りと年間を通じて楽しむことができる環境だ。

そんな魅力あふれる群馬県の泣き所は、気象条件。気象庁の歴代全国ランキングを見ると、最高気温の高さ上位24地点のうち、群馬県からは桐生と伊勢崎が40.5度で14位に、館林と上里見が40.3度で20位に入っている。昨年、群馬県内では桐生市で猛暑日が全国最多の46日を記録、過去最多となった。

太平洋の湿気をたっぷり吸った暖かい南風が関東平野に吹き、その風が上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)にぶつかったり、山に囲まれた平野で温められると上昇気流が生じて積乱雲を生むことで雷の発生回数が多くなると言われている。そして冬は上州空っ風。山から関東平野に向けて吹き下ろす乾燥した冷たい強風がツラい。

移住希望者への出身者からのアドバイス

今回のニュースがネットに流れると、さまざまなコメントがあふれかえった。

群馬出身者は「気候は地域によって同じ県かと思うくらい違いまして、南の方は日本一暑い、北の方は冬はほぼ東北です。移住を考えるならどのあたりに住むのかが結構重要」とアドバイス。

高崎に住んでいたという人は「大きな公園や動物園、広場が多く子どもを育てるには困らない。土地も安いからめっちゃ広い庭付きが買える。子育て世代には高崎や前橋はおすすめ」と推奨している。

東京から100キロ圏内の群馬県は、交通のアクセスはまずまず。上越・北陸新幹線の停車駅・高崎なら東京駅から約50分で着く。筆者の知人(大手メーカー勤務)もコロナ前から高崎に家を建てて新幹線通勤をしていた。コロナ禍を機にリモートワークが定着し、家族と過ごす時間が増えて、生活の質が向上したことを実感しているという。

イメージ優先の魅力度調査では低人気かもしれないが、子育て世代を中心としたリアル移住ライフを考える人々の間では、群馬県の好感度、存在感はますます高まりそうだ。

また昭和以降、群馬県からは福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫と4人の総理大臣を輩出している。

今後、県として移住促進に力を入れるだけでなく、移住者の定住化に向けた対策の強化を図り、定住率などのデータを公表して、人口減対策に向けた「群馬モデル」を構築していってほしいものである。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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