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コンサルに頼らず人口増!3つの町の「住宅政策」。茨城県阿見町、茨城県境町、北海道南幌町

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分譲地に建てられた一戸建ての外観
大規模な分譲地は計画以上の売れ行き(写真:住宅生産振興財団)

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コンサル会社が地方創生を掲げながら自治体を喰い物にしている実態に迫った特集「喰われる自治体」から1年。本特集では、寄せられた告発を基に第2弾を展開する。

茨城県・阿見町|人口5万人突破で「市」に昇格

「市制に向かい、みんなで歩もう!」。こんな横断幕があちこちで見られるその町は、首都圏のベッドタウンとして最近子育て世帯の注目を集めている茨城県阿見町だ。隣接する土浦市のJR常磐線の駅を使えば、そこから東京まで約1時間。2023年10月には人口が5万人を超えた。27年には市に昇格する見込みだ。

「阿見から東京は遠くない。一極集中を分散してもらう」

そう意気込むのは、就任当初から子育て支援に力を入れてきた千葉繁町長(62)だ。

「周辺の自治体に先駆けて所得制限なしで18歳までの医療費無料化を実施した。大学の医療センターに病児保育施設も作った。次は『荒川本郷』にも増やしたい」

荒川本郷とは、同町が移住施策の重点地域に定めて開発を進める地区だ。かつての都市基盤整備公団が土地区画整理事業から撤退し、町に無償譲渡した39ヘクタールを活用。居住エリアや商業エリアに分け、つくば市のデベロッパーなどに段階的に払い下げている。

「少し前までは林だった」とタクシー運転手が言う場所に降りる。175戸が整然と並ぶ大型分譲地だ。右からも左からも槌(つち)音がガンゴンと鳴り響く。

住宅メーカー10社の共同企業体(JV)によるこの分譲地は想定以上の売れ行きで、販売計画が前倒しされた。1区画の平均面積は約63坪、1170万円という。

千葉県我孫子市から移住した30代会社員の男性は「千葉やつくばは土地が高く、ここなら手が届くと思った」と話す。この男性は、子どもが生まれるのを機にこの地に注文住宅を建てた。

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