「今日も1日良いことばかりだった」ではなく、「悪いこともあったけど、1つだけ良いことがあった」と現実を受け止められる人の方が、幸福を感じやすいものなのです。
②ネガティブな感情を無理になくそうとする
心にネガティブな感情が生まれたとき、「こんな気持ちではダメだ……」とその感情を否定する人は多いでしょう。しかし本来、人の感情に「良し悪し」は存在しないというのが心理学の考え方にはあります。
それなのに、なぜ私たちは感情を良いもの、悪いものと考えてしまうかというと、過去にあった悪い出来事に対する刷り込みが影響しているからです。
例えば「後ろ向きな発言はしてはいけない」「マイナスなことはできる限り考えない方が良い」といった周りの人からの教えや、ご自身の体験などにより、「ネガティブなことは感じてはいけない」と脳にインプットされているのです。
しかし、メンタル不調が始まる1つのケースとして、このような感情の否定から「自己肯定感」が低くなってしまうことがあります。だからネガティブ感情の視点を変える必要があるのです。
ポジティブ感情も、ネガティブ感情も、湧き上がってくるのは自然なことで、抑えられなくて当然です。だから、それを自分で否定する必要も、人から否定される不安を感じる必要もありません。
ネガティブ感情の「置き場所」を変えるには、自分の感情というものを事実として認識した上で、良し悪しを判断せずに「受け止める」ことが大切です。
私が行っているコミュニケーション研修には、「喜怒哀楽」の4つの感情ごとに、最近の出来事を書いてもらうワークがあります。
この研修を続けていく中で気づいたのは、長く自分の感情にふたをしてしまっている人ほど、ワークの記入ができないということです。その理由は明確で、自分の感情に向き合わず、見て見ぬふりをし続けてしまっていたからです。
また、カウンセリングをしていると、「仕事が嫌い」「上司が嫌」「なんとなくモヤモヤ、イライラする」とはいうものの、具体的にどんな気持ちなのか、自分はどうしたいのかを聞くと、「自分でもよくわからない」という人が多くいます。
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