「ネガティブ感情」を吐き出すにもコツがいる! “誰か”に聞いてもらうなかで心を守るための「効果的な方法」

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ネガティブな感情を適切な言葉で表現することは、自分の心を守るため、また自分自身とうまくやっていくために重要なことです(写真:buritora/PIXTA)
「伝わらない」「わかり合えない」と感じるたび、私たちの心には、もどかしさが募っていきます。

では、思いが「伝わり」、きちんと「わかってもらう」ためには、どうしたらいいのでしょうか。気鋭の言語学者にして作家の川添愛氏の著書『「わかってもらう」ということ 他人と、そして自分とうまくやっていくための言葉の使い方』から、一部抜粋・編集してご紹介します。

最初にお断りしておきたいのは、ここからの話は、生命や精神の危険を伴う深刻な状況についてのものではない、ということです。ここで扱う「ネガティブな感情」とは、あくまで多くの人が日常の中で感じるちょっとした怒りや不安のことです。身体的な負傷にたとえれば、誰もが普段の生活の中で負ってしまう小さな擦り傷のようなものです。ここからの話は、それぐらいのレベルのネガティブな感情についてのことだとお考えください。それ以上の精神的なダメージはここでの対象ではありませんのでご了承ください。

ネガティブな感情を自分の外に出すことが大切

私は、ネガティブな感情を適切な言葉で表現することは、自分の心を守るため、また自分自身とうまくやっていくために重要なことだと考えています。しかし、具体的にそれをどう行えばいいかというのはなかなか難しい問題です。

私が重要だと思うのは、怒りや不安を感じたときに、まずその存在を認めることです。「私はこいつにムカついている」「私はとても不安だ」ということを自覚するのです。怒りも不安も自然な感情です。「こんなことで怒っている自分は器が小さい」「こんなささいなことで不安になるなんて、自分はちょっと変なのでは」などと、つい自分を責めたくなりますが、そんなことをしたからといって、いったん生じた感情がなかったことになるわけではありません。

自分を責めてしまうのは、自分に対して妙なプライドや、「自分はこうでなければならない」という歪んだ期待があるからです。そういうものは捨てて、自分が傷ついていることや、不安を感じていることを認めた方が楽です。

そして、もし可能であれば、ネガティブな感情を何らかの形で自分の外に出すことが大切です。一番効果があるのは、人に聞いてもらうことです。

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