「ネガティブ感情」を吐き出すにもコツがいる! “誰か”に聞いてもらうなかで心を守るための「効果的な方法」
しかしその場合、どんな人に聞いてもらうかについては慎重にならなくてはなりません。「そんなことで怒る(/不安になる)なんて馬鹿馬鹿しい」と言ってこちらの気持ちを否定してくる人や、「あなたにそんなひどいことをする人間は許せない。仕返しをすべきだ」などと煽ってくる人には言わない方がいいと思います。とくにインターネット上には、他人の悩みを冷笑する人や、他人の怒りに便乗して第三者を攻撃しようとする人が大勢います。そういう場所で、不特定多数の人間に向けて自分の抱えている感情を打ち明けることには危険が伴います。
ネガティブな気持ちを表に出すのは勇気の要ることです。そういった勇気に水を差すことなく、またネガティブな感情に油を注ぐこともなく、きちんと話を聞いてくれる人がいれば理想的です。そういう人に聞いてもらうだけで、気持ちはかなり楽になるでしょう。もっとも、その人の負担にならないように気を配るのは大切です。嫌なことがあったり、不安になったりするたびに相手の都合を無視して一方的に話していたら、いずれ話を聞いてもらえなくなるかもしれません。そうならないためにも、相談できる相手が何人かいるのが理想です。
「何かに書く」のも効果的
では、そういう人たちが身の回りにいない場合や、「さすがにこの程度のことで人に相談するのはためらわれる」と思ってしまう場合はどうすればいいのでしょうか。私は「自分に聞いてもらう」ことにしています。具体的にはどうするかというと、「何かに書く」のです。
私は日記を書く習慣があるので、その日にあった嫌なことなども一応書きます。書くことでネガティブな感情が消えてなくなるわけではありませんが、それなりの効果はあります。
まず、書くことによって、自分の感情を客観的に「読める」ようになります。感情の出所そのものは自分であっても、書かれた感情はあたかも他人のそれのように読むことができるのです。
実際、自分の書いたものを少し後から読み返すと、そのときの自分と今の自分はまったくの他人であることがわかります。たとえば、ある日に自分が「こんなことがあってムカついた」と書いていても、数日後にそれを読み返すと、そのときと同じ程度の新鮮さで怒りを思い出すことができなくなっています。数週間後、数カ月後、数年後になると、「なんでこんなことで腹を立てていたんだろう」と、まったく共感できないこともあります。
そういう経験を重ねていくうちに、自分の中にネガティブな感情が起こってから消えるまで、おおよそどれぐらい時間がかかるのかが徐々にわかってきました。私の場合、相手がめったに会わない人ならば、怒りは長くても数日で消えます。不安については、その原因にもよりますが、だいたい長くて2日ぐらいです。
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