怒りを抑えられない人に欠けた「大切な考え方」 実は「怒り」は自分を守る感情である

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「怒り」は負の感情で、良くないものだと思われがちですが……(写真:cerisier117/PIXTA)
最近よく耳にするようになった「感情コントロール」。どんなときも冷静にふるまえるようになるための有用な技術です。しかし中には、「どれだけ努力しても感情をコントロールできない」と悩む人も少なくありません。心療内科医・鈴木裕介氏は、その理由を紐解くキーワードは「トラウマ」だと語ります。
※本稿は鈴木裕介氏『がんばることをやめられない コントロールできない感情と「トラウマ」の関係』から一部抜粋・再構成したものです。

怒る他者によって翻弄された記憶

最近は「アンガーマネジメント」という言葉も一般的になってきましたが、怒りは、うまく付き合っていくのが最も難しい感情のひとつでしょう。

怒りや嫉妬といったネガティブな感情は、それが生じただけでも苦しく、「感情をコントロールできない自分」に傷ついてしまう感情の代表格だと思います。

そのため、怒りの感情そのものに対して、ネガティブなイメージを持っている人も少なくありません。そして、制御しがたい怒りに苦しんでいる人は、むしろ普段は温厚で怒りを抑圧しているタイプの方が多いと思います。

怒りという感情を抑え込もうとする背景には、親などの他人の怒りに翻弄され深く傷ついてきた経験や、自分の怒りによって大事な関係を壊してしまった経験などがあります。怒りに限らず、激しい感情そのものがこわいため、自分の感情に深く触れないようにしている、という人もいます。

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