怒りを抑えられない人に欠けた「大切な考え方」 実は「怒り」は自分を守る感情である
もしかすると、こうした怒りのパーツの働きがなければ、過去のあなたは危害や支配から逃れて生き延びることは難しかったのかもしれません。
怒りも含め、パーツが関わる感情とうまく付き合うための原則があります。
それは、自分の中から生じた感情がいかにネガティブなものであっても、押し込めたり、なかったことにしようとしたりせずに、まずは自分のものとして大事にするということです。怒りのパーツが発動したら、まずはその感情を大切に認めてほしいと思います。
「マネジメント」できない怒りもある
「アンガーマネジメント」という言葉があります。認知トレーニングにより自分の怒りを客観視し、コントロールしようとする技法のことです。
認知や感情調整の能力が日常生活において重要であることに異論はありません。しかし、自分でコントロールできるレベルの感情は比較的軽度のものだと思います。
実際、「『アンガーマネジメント』という言葉自体が嫌い」という方は少なくありません。
コントロールできる範囲の外にある「怒り」に苦しんでいるのに、それが理解されず、周囲から「アンガーマネジメント」の本を勧められるというケースが後を絶たず、ある方はそれを「アンガーマネジメント・ハラスメント」と呼んでいました。
繰り返しますが、アンガーマネジメントをはじめとする認知トレーニングは素晴らしい技術です。
しかし、トラウマ性の怒りが出ているとき、「認知」を司る脳の部位の機能は大きく低下します。感情を抑えきれないことによって、強い罪悪感や恥の感覚に苦しむ人はとても多いのです。
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