「がんばりすぎる人」ほど変われない悲しい理由 もはや自分の意識では動いていない

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冷静にふるまえるようになるための有用な「感情コントロール」。しかし、「どれだけ努力しても感情をコントロールできない」と悩む人も(写真:Luce/PIXTA)
最近よく耳にするようになった「感情コントロール」。どんなときも冷静にふるまえるようになるための有用な技術です。しかし中には、「どれだけ努力しても感情をコントロールできない」と悩む人も少なくありません。心療内科医・鈴木裕介氏は、その理由をひもとくキーワードは「トラウマ」だと語ります。
※本稿は鈴木裕介氏『がんばることをやめられない コントロールできない感情と「トラウマ」の関係』から一部抜粋・再構成したものです。

コントロールができない自分が憎い

がんばりたくないのにがんばってしまう。こういった、自分をコントロールできない苦しみは、日常のさまざまな場面で存在します。

◎本当は余裕がなくて断りたいのに、笑顔で頼まれごとを引き受ける
◎大切に思っている相手から遠ざかりたいと感じ、離れる理由を探している
◎ときどき人が変わったように怒りを爆発させ、あとで後悔する

このように、自分の中に異なるベクトルの衝動が同時に存在することは、まさに自己矛盾そのものであり、引き裂かれるようなつらさがあるものです。

そして次第に、「自分は感情のコントロールができない人間だ」「人生を望む方向に進められない無力な存在だ」という感覚が生まれ、自分を責めるようになります。

コントロールできない感情や衝動に引き裂かれそうになっているにもかかわらず、その苦痛をだれにも理解されないばかりか、自分自身が何をしたいのかわからず、どんどん自己嫌悪を深めてしまう。これほどつらいことはないでしょう。

次ページ矛盾と自己嫌悪が積み重なるうち、負の信念を持つようになる
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