「社内のコネ」「社歴」は、あまりに軽視されすぎだ 「社内調整のプロ」というキャリア選択もある
出世なんてしなくても、有名にならなくてもいいから、本当に「やりたいこと」を見つけ、それを誰にも壊されないような働きかたを見つけたい。
そう思っている人は多いはず。でも実際は、そんな「幸せな仕事」を見つけるのは至難の業に思えてしまいます。
「『幸せな仕事』が見つからないのは、『見つけるための方法』を知らないから、かもしれません。私は、その方法を、自分の個性を磨くことと、誰かの役に立つことを両立させるマーケティングの考え方から学びました」
そう語るのは、マーケティングの視点をキャリアに転用することで、多くのメンティーを救ってきた井上大輔氏。
働きかた小説『幸せな仕事はどこにある――本当の「やりたいこと」が見つかるハカセのマーケティング講義』を6月28日に上梓する井上氏に、「スペシャリスト志望」がいきすぎている日本の現状を解説してもらいました。
令和の日本は「ジェネラリスト」が軽んじられる風潮
5月の半ば、「大転職時代」という言葉がXのトレンドになりました。読売テレビの情報番組「ウェークアップ」で、「大転職時代の歩き方」と題した特集が組まれたことがきっかけです。
同番組では、転職希望者は今や1000万人以上にのぼる、というデータが紹介されました。転職適齢期を25歳から55歳とした場合、そこに入ってくる約4000万人の4人に1人は転職を考えている、ということになります。
実際の適齢期はもっと狭いでしょうから、3人に1人、あるいは2人に1人ぐらいがより実態に近いのかもしれません。
私は学生や社会人のキャリア構築を支援する非営利団体で、キャリアの「メンター(相談役)」をやっています。
そうして常に転職を意識しているからなのか、近年、若い世代の間には、スペシャリストになって手に職をつけたい、と考える人が増えてきていると感じます。スキルが十分に磨けない「ホワイトすぎる職場」が若い世代に避けられるのも、同じ理由からなのでしょう。
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