「作業の完遂」は何より重要だった
産業革命期のやり方というのは、赤ワーク、すなわち生産作業に最大限の時間を費やすためにできたものだ。
要するに、組立ラインが中断なしに動き続けることが重要ということだ。
現代の管理職は、いまなお同じやり方を踏襲している。
時間を厳守することから始まって、やるべきことを部下に強要して服従させ、できるだけ長く赤ワーク(生産作業)を続けさせることが当たり前になっているのだ。
そんな管理職にとって、時間あたりの生産性を最大にすることは絶対であり、組立ラインの停止に象徴される赤ワークの中断は、時間と資源の無駄を意味する。
生産行為を長く続けさせる手段のひとつが、中断を発生させないように、中断することへの障壁を構築することだ。
産業革命期のやり方から抜け出せずに沈没した貨物船エルファロの高級船員たちは、なぜ最適なルート変更ができなかったのか。
この問いの答えが、中断を阻む障壁だ(エルファロについてはこちらの記事も参照)。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら