あなたの組織には、異変に気づいた部下が、「何かおかしい」と率直に声をあげられる文化はあるだろうか。
それがする必要のない中断だったと判明したときに、呼びかけた人をからかったり、「間違ったな」と責めたりしていないだろうか。
それでは、いずれ誰も意見を言おうとしなくなる。そんな文化を変えるために、何ができるだろうか。デビッド・マルケ氏の著書『最後は言い方』より、そのヒントを紹介しよう。
「任務をやり遂げる」ことで頭がいっぱい
産業革命期に生まれた、上司=決断する人、部下=実行する人、という仕事の配分は、決断する人が少数で、大半は実行する人というものだった。
問題は、この分断によって、実行だけを担う人が生じてしまうことだ。
実行することに入りこんでしまうと、人は、「自分の能力をまわりに証明したい」という思考心理や、「自分の無能さが露呈することから自分を守りたい」という思考心理に陥りやすくなる。
そして、作業の完遂という目標にフォーカスが絞られ、視野が狭くなる。時間がないという切迫した感情や、やり遂げることへのプレッシャーも感じているかもしれない。
ようは、自分の任務をやり遂げることで頭がいっぱいになるのだ。
もちろんそれが正しい任務であれば問題ないが、そうでないことをやり遂げてもしょうがない。
そうして周囲が見えなくなり、「実行する仕事に取りつかれた状態」にならないように気を配る必要がある。
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