意のままに部下に動いてもらおうと、「俺が上司だ」と序列を強要する上司はいないだろうか。
だが、統制と遵守が行き過ぎた形で根づいている環境では、恐怖心に常識が歪められても不思議はない。その結果、適切な行動や率直なやりとりが妨げることがあると指摘するのが、マルケ氏だ。
米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」で艦長を務めた経験を持つマルケ氏が提示する、チームの恐怖心を取り払う方法とは何だろうか。その著書『最後は言い方』より紹介しよう。
安全第一より序列第一となる組織は多い
「安全第一」を掲げる組織は多いが、人々がとる行動は実のところ「序列第一」だと言える。
「疑問を持たず、命じられたとおりに行動すべし。そうしなければ深刻な事態に陥る」
繰り返し徹底してそう刷り込まれれば、その組織で働く人々は、何をするにも、それが命令どおりの行動かどうかを確認するようになる。
恐怖心をみくびってはいけない。統制と遵守が強く根づいている環境にあっては、恐怖心に常識が歪められても不思議ではない。
疑問を持つたびに息が詰まりそうになる思いをしていれば、しだいに自ら行動を起こさなくなっていく。
2015年にハリケーンのせいで沈没した貨物船「エルファロ」の高級船員たちは、船がハリケーンに向かって進んでいる(間違った進路を進んでいる)とわかっていた。
しかし、適切な軌道修正ができなかった(エルファロについては、こちらの記事も参照)。
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