丁寧なつもりで失礼!この英語に気をつけろ 中学校の教科書で習ったあの表現が危ない

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had betterに付いている「~した方が良い」という訳は、shouldと意味的にかぶるところもあれば、そうでないところもあります。

基本的にhad betterは「(それをしないと、何か悪いことが起こるよ、だから)~した方が良い」という“無言のお約束”ニュアンスが含まれています。

だから、You had better come to the party! と言うと、字面だけ見れば「パーティーに来た方がいいよ」という訳で間違いではないのですが、気持ち的には「来ないとボスが怒るよ」とか「来ないと仲間外れにされるよ」とか、何か悪いことがほのめかされている感じがするんです。これが、「脅し」とか「警告」と言われている所以ですね。もちろん、実際に脅しているケースは少ないと思いますので、あくまでもニュアンスとしての話なんですけれど。でも、明らかに「ぜひおいでよ!」という気持ちで言う「来ればいいのに」とは違います。

何を引き起こすのか気になるhad better

あるとき研修が終わったあと、生徒のひとりがウイスキー好きな筆者に、会社近くの飲み屋を勧めてくれたことがありました。そのときに彼がYou had better go to the bar.と言ったのです。

もちろん筆者はすぐに、彼が「その飲み屋に行った方がいいよ、ぜひ行ってみて」のつもりで言ってくれたのだろうと思ったのですが、「もしかして?」と思って念のためにWhy?「どうして?」と聞いてみました。だって、「先生、あそこの飲み屋に行かないと、まじヤバいです」という意味で言っている可能性もありますよね。そうしたら、They have good whiskey! 「いいウイスキーがあるよ!」という答え。やっぱり、「~した方が良い・~すれば良い」という意味だったのです。つまり、ここはYou should go to the bar.と言うべきだったのです。

ここでhad betterを使うと、先ほどのパーティーの例文と同様に、「そのバーに行かないと悪いことが起こる」という感じがしてしまいます。「脅し」では言いすぎかもしれませんが、「しないとどんな悪いことがあるの?」と相手が気になってしまう、そんなニュアンスになるのです。

これが違う状況になると、shouldもhad betterもどちらも使えることもあります。例えば、筆者はよく研修で単語のミニテストを行ないます。事前にテスト範囲は指定してあり、You [should/had better] study for the test! 「ちゃんとテスト勉強した方が良いぞ!」と言うことがあります。

このときには「勉強しないと点数が取れないぞ!」という含みがありますので、had betterでもOKなんです。やはり「脅し」と言ったら言い過ぎですが、「しないとダメだぞ!」くらいの気持ちでしょうか。点数の記録を付けて、人事部に報告するということもありますので、場合によっては「脅し」にもなり得ますね(笑)

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