ある企業で研修に参加をしていたハナコさん。筆者は、彼女がずいぶんのベテラン社員なのだと思っていました。ところが、実はまだ入社して1年経たない派遣社員だと聞いてびっくりしました。あとから考えると、彼女がpleaseを使って、他のクラスメートに指示を出しているのをよく聞いていたので、無意識にそんな風に思いこんでいたのです。
ハナコさんに聞いてみたら、案の定「~してください、お願いします」と丁寧に依頼をしているつもりで使っていたとのことでした。クラスメートも特に変だとは思わずにいたようです。「お姫さまみたいに聞こえますよ」と話したら、その日からハナコさんのあだ名がプリンセスになってしまいました。
Mr. Yamada, please open the window. 「ヤマダ部長、ちょっと窓開けてちょうだい」
上司やお客さまに指示を出さないように気を付けましょう。
学生時代にhad betterという表現を習った方が多いと思いますが、どんな風に習いましたか?その昔、筆者が学生だったころには「~した方が良い」という訳が付いていました。そんな風に学校で習ったので、筆者も初めは「ふぅーん、それってアドバイス的に使うのかな?」くらいに思っていました。ところが、英会話の先生に聞くと「脅しているような感じだよ」と言うではないですか。ちょっと使うのが怖くなった覚えがあります。
最近では、このhad betterは「脅しである」とか「命令しているような意味である」というのを聞いたことがある方も増えているようで、had betterの話をすると「知ってます」「聞いたことあります」という声が聞こえてきます。さらには「『実は脅しではない』と聞きました」という生徒もいたり。いやいや、何かと話題を巻き起こす表現なのですね。
そもそも、助動詞なのか助動詞じゃないのかわからなかったり、今風に言えばまったく「めんどくさい」表現なのですが、このhad better、ここでちょっと整理してみましょう。
パーティー参加は義務?
had better「~した方がよい」について話すとなったら、やはりshould「~すべきである」にも登場していただかなければなりません。実はこのshouldの訳にこそ、「~した方が良い」を加えて欲しいと筆者は思います。
もちろん、ルールの話や義務の話で「~すべきである」と言うときに使いますので、この邦訳も一応、併記しておくのはいいと思います。でも、日常会話で助言するときには、「~した方がよい」という訳の方がしっくりくることが多いんです。
You should come to the party! 「パーティーに来ればいいのに!(おいでよ!)」なんて使い方をよくしますが、これを言うときに「あなたはパーティーに来るべきです」という義務のようなニュアンスで言うことは少ないですよね。
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