「冷え」「熱こもり」タイプで選ぶ"花粉症の漢方薬" 症状でわかる「チェック表」で自分にあう薬を

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花粉症に限ったことではありませんが、漢方では症状に対して治療方針を立てるときには、「冷え」が原因なのか、「熱」が原因なのかを考えます。

冷えている場合は温め、熱を持っている場合は冷やすことにより、ちょうどよい状態「中庸(ちゅうよう)」にします。これにより症状が緩和されるのです。冷えか熱か、原因がどちらなのか判断する際は、症状が決め手になります。

冷えタイプ:冷えが原因の場合、次のような症状が出ます。

□ 顔色が青白い
□ 鼻水は薄くて量が多い
□ 体、手足などが冷えやすい
□ 寒い日、冷えると悪化する
□ むくみやすい

熱こもりタイプ:熱がこもっていることが原因の場合、次のような症状が出ます。

□ 熱感やほてりが強い
□ 眼球、目のまわりがかゆい
□ 黄色く濃い痰、鼻水、目やにが出る
□ 入浴後など、温まると悪化する
□ 喉のイガイガ、耳のかゆみが強い

チェックが多いほうがその方の花粉症のタイプになります。

冷えタイプの漢方3種と養生法

漢方では薄い大量の鼻水は冷え、ドロドロした黄色い鼻水は熱によるものと考えます。

花粉症で病院に行くと、最も多く処方されるのが小青竜湯(しょうせいりゅうとう)で、冷えタイプの花粉症に有効な代表的な漢方薬です。

小青竜湯は体力が中等度またはやや虚弱で、薄い水っぽい痰を伴う咳や、鼻水が出る人のアレルギー性鼻炎、花粉症です。とにかく鼻水が多く、ティッシュペーパーを1日1箱使ってしまうようなタイプの花粉症によく効きます。

この大量の鼻水の原因について、出典の古医学書『傷寒論(しょうかんろん)』の条文には、「心下(しんか) に水気あり」と書かれています。

心下とは心臓の下のほうのみぞおち、つまり胃のあたりを指します。ここに溜まった水が鼻水や痰になって噴水のように湧き上がってくると考えるのです。小青竜湯は、この「心下の水」を処理することにより、鼻水の原因を除去します。

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