ここ2、3年でeSIMが普及したことに伴い、デュアルSIM対応端末のバリエーションも急拡大している。今では、キャリアが販売する端末のほとんどが物理SIMとeSIMの両方を備えており、2つの回線を同時に利用できる。eSIMは、オンラインで比較的簡単に発行でき、SIMカードのように店舗に行ったり、郵送されてくるのを待ったりする必要もない。設定もシンプル。Pixel 8の場合、「設定」で「ネットワークとインターネット」を開き、「SIM」という項目で「SIMの追加」を選択したあと、「新しいeSIMをダウンロード」をタップするだけでQRコード読み込み用のカメラが起動する。
通信料が安くなる?「デュアルSIM」
デュアルSIMでスマホを使うメリットはさまざまだ。例えば、仕事用とプライベート用で電話番号を分けたいときに、端末を1台で済ませることができる。また、音声通話とデータ通信のSIMカードを分け、料金を節約するといったことも可能だ。節約だけなら番号ポータビリティでキャリアを移ってしまう手もあるが、固定回線とのセット割を受けていたり、家族で契約していたりすると、手間がかかるのも事実。デュアルSIMであれば、データ通信料の安い回線を追加し、元々の回線の料金プランを変更するだけで済む。
一例を挙げると、元々がドコモでデータ容量が無制限の「eximo」を契約していた人は、「irumo」の0.5GBプランに変更すれば、最大で7000円弱、料金が安くなる。ここに、データ容量無制限の楽天モバイル回線をeSIMで追加し、データ通信はそちらに任せてしまうとする。楽天モバイルの料金は3278円。これだけで、毎月3000円以上、料金が安くなる。楽天モバイル1回線に集約すればより料金は下がるものの、こちらのほうが手間はかからない。音声通話や0.5GBまでのデータ通信はドコモのエリアで使えるため、いざというときに安心だ。
ドコモ、au、ソフトバンクなどの大手キャリアは、無制限の料金プランがメインブランドに据えられており、低容量のプランが割高に設定されている。例えば、auの場合、スマホミニプランは1GB以下だと3465円だが、3GBを超えると6215円に金額が跳ね上がってしまう。これをそのまま使うより、スマホミニプランでauの契約を残しながら、データ通信だけを格安SIMにするほうが安上がりだ。例えば、IIJmioの場合、データ通信専用のeSIMは5GBでわずか660円。スマホミニプランの1GB以下の料金に足しても、4000円強で済む。さらに、固定回線がIIJならセット割引でこの660円が無料になる。
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