寒中水泳(冷浴)の良し悪しについては、現代科学において解明や実証がまだまだ十分とは言えない。
とはいえ、『「最新医学エビデンス」と「最高の入浴法」がいっきにわかる!究極の「サウナフルネス」世界最高の教科書』内でも言及されているように、冷刺激が身体へ及ぼすメリットや、生化学的・生理学的な変化については、検証データも多くあり、科学的にもある程度は証明されつつある。
とくに、冷刺激によって血液循環が良くなり、老廃物の排出や細胞への酸素供給が進むこと、幸福ホルモンとして知られる「エンドルフィン」の分泌や筋肉疲労緩和が促されることなどが、実際に実践する人々がリフレッシュやリラックス効果を実感する根拠の一端となっている。
寒中水泳を始める人へのアドバイスは?
では、由緒ある寒中水泳協会には、正しい実践法や注意点のマニュアルが存在するのだろうか。
ラヤンティ氏は、「万人にとって絶対的に正しい寒中水泳メソッドは存在しない」ことを強調する。
裏を返せば、その日その日の自分の心身の声にきちんと耳を傾けられる人にのみ寒中水泳を行う資格がある、ということだ。
ある人はサウナ浴なしでもアイスホールに入水できるし、ゼロ度近い冷水の中でも何十秒と泳いでいられる人もいる。
けれど、友人ができるからといって、同世代の自分の身体でできるとは限らない。日々の体調にもよりけりだろう。
他人に流されず、自分が無理せずに心地よいと感じる入水時間や水温やタイミングに忠実であれば、トラブルが起こる可能性は極めて低いのだ。
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