家のごはんなのだから、そういう我が家の"家族のカタチ"みたいなものを、もっと慈しんでいいように思う。
「サザエさん」やテレビCMなどに惑わされることなく、ありのままの家族の食卓に自信を持っていいのではないか。そうなれば、ごはんを作る人の気がラクになるし、食べる人も気軽においしく味わえるはずだ。
修業時代の師匠の教え─「人の役に立て」
僕は、関西の日本料理店で9年間修業をした。
下働きから始まった修業は大変厳しいものであったが、料理人としての心構えがこの修業によって身についたと言える。
技術はもちろんのこと、修業時代に学んだことはすべて今に生きていると思っている。
そのなかでも特に心に残っているのは、
「自分に余裕があったら人の役に立つことをしろ」
「なんにもやることがないなら仕事をしとけ」
という師匠の言葉だ。
「人間、暇だと余計なことをする」というのが、僕の師匠の口癖だった。
「もし、料理人としての仕事が途切れることがあっても、料理人じゃない仕事をしてでも働き続けろ」と。
やることがなくてフラフラしていると、なんとなく行ったパチンコ屋で散財する……、なんてこともあるかもしれない。
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