予約の取れない和食店として有名な「賛否両論」店主・笠原将弘さん。幼少期のふだんの食卓からプロの料理人として働く今にいたるまで、半世紀に渡り、「和食」と向き合ってきました。
50歳の節目に、「和食」への想いを綴ったエッセイ『今さらだけど、「和食」をイチから考えてみた。』より一部抜粋し、3回に渡って掲載します。新しい年、改めて和食の良さを見直してみませんか。
和食って、なんだろう?
そもそも和食ってなんだろうか。
ぱっとひとことで言うのが難しいのだが、その土地の食材を、素材の味を活かしてシンプルに料理したものではないか。本来なら、すごくお手軽に作れるものだと思っている。
ところが、どうも「和食」と聞くと、難しいもの、手間がかかるものと捉える若い世代が多いような気がしてならない。子育て中のお母さんや、主婦の方々もまた然り。
それは、和食と言うと、懐石料理や割烹料理のように、立派な雰囲気の店や料亭で、記念日やお祝いなど特別な日に食べるものをイメージしてしまうからではないか。
でも、本来は、日本人にとっての毎日の食事、庶民の味、普通の人が普通に家で食べるごはんが和食だったはずだ。
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