これまで、さまざまなごみの収集業務を体験してきたが、不燃ごみや粗大ごみとして新品同様のものが排出されていることも多々あった。「まだ十分使えるのに」と残念な気持ちになっていたところ、とある研修会で愛知県豊田市の粗大ごみ収集と連携した「リユース工房」の取り組みを知った。
まだ利用できる粗大ごみを清掃・補修し、入札形式で展示販売するという取り組みであった。早速豊田市に向かい現状を視察してきた。
職人たちの高い技術力で修復
リユース工房は豊田市循環型社会推進課がごみの減量・再使用に対する理解を深めることを目的に2014年に始めた。きっかけは粗大ごみを収集している清掃職員の「まだ使える」という声だった。
現在はNPO法人「とよたエコ人プロジェクト」が委託を受けて運営し、リユース品を清掃・補修。購入希望者が金額を書いて箱に入れ、期間内に最高額をつけた人が落札できる「入札形式」で毎月50点ほどを販売している。
入札は誰でもでき、名古屋や三重など遠方から来る人も含め毎月約200人が足を運んでいるという。
補修はシルバー人材センターの方々が担当し、シフトを組んで2人体制で作業を進めている。たとえばボロボロのキャビネットはベニヤ板を剥がし、塗装した新たな木を接着剤で貼り付け、新品のガラスに交換してほぼ新品の状態に直すという技術力を誇る。
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