意外と奥が深いごみ収集
皆さんが普段何気なく出しているごみ。ごみと一言にいっても、さまざまな分類や処分方法があり、意外と奥は深い。
例えば、「同じ弁当から出たごみ」でも、自宅と学校、捨てる場所によってまったく異なる方法で回収・処分されているのをご存じだろうか。
筆者がコンビニ弁当を東京都板橋区の自宅で食べる場合と、勤務している大東文化大学(板橋区)で食べる場合では、同じ弁当から出たごみでも、ごみの処理方法はずいぶん変わってくる。
自宅でコンビニ弁当を食べる場合は、食後に出る弁当がらと食べ残しは、廃棄物処理法上一般廃棄物扱いの「家庭ごみ」となるので、各自治体が定めた方法によってごみを捨てる。
板橋区は「プラマーク」つきの容器でも「可燃ごみ」として排出することが可能なため、1つの袋に一緒くたにして出す。
しかし、大東文化大学の研究室で同じコンビニ弁当を食べ、少し食べ残してしまいごみ箱に捨てる場合は、大学という事業者から排出されたごみとなる。そのため大学は、食べ残しは一般廃棄物扱いとなる「事業系ごみ」、弁当の容器やプラスチック製品は「産業廃棄物扱いとなる法令で定められた20種類」となるため分けて扱う必要がある。
「一般廃棄物用」の清掃車はごみを積み込んだ後、東京23区内にある清掃工場に行き積み込んだごみを降ろし、家庭ごみの処理の流れに乗せられて焼却処理されていく。
一方、「産業廃棄物用」の清掃車は、排出事業者が契約を結んだ産業廃棄物処理業者に運び、そこで品目ごとに仕分けられ、マテリアルリサイクル(製品原料として再利用)、ケミカルリサイクル(化学合成で他の物質に変え、その物質を原料に新たな製品を作成)、サーマルリサイクル(焼却する際に発生する「熱エネルギー」を利用)、埋立処分など、最終処分が行われていく。
ちなみに、大学に入構する清掃車を観察していると、一般廃棄物用の清掃車と産業廃棄物用の清掃車が来ていることがわかる。
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